【経営者必見】テレワークを変えるサテライトオフィスとは?

 

2020年初頭から世界を震撼させた新型コロナウィルスによって、多くの会社が休業あるいは在宅勤務を余儀なくされました。

現在は外出制限も緩くなり、従来のオフィスワークに戻りつつあるところではありますが、「新しい生活様式」への適応などクリアすべき課題は山積みで、経営者のみなさまはもちろん雇用されるみなさまもこれからの働き方について頭を悩ませていることと思います。

今回は、テレワークの中でもまだあまり知られていない「サテライトオフィス」についてご紹介します。

 

サテライトオフィスと は?

サテライトオフィスとは、企業の本社や本拠地から離れた場所に設置する小規模なオフィスのことを指します。
売り上げや経済規模を起点としてオフィスを選ぶのではなく、社員のライフスタイルや働き方の改善のために用いられることがほとんどです。

サテライトオフィスには3種類あります。

1:都市型サテライトオフィス

都市部に設置されたサテライトオフィスを指します。
新規事業の拠点などにするため設置されることが多いです。

2:郊外型サテライトオフィス

ベッドタウンなどの郊外に設置されたサテライトオフィスを指します。
社員の通勤時間の短縮や育児・介護と仕事の両立など社員のライフワークバランスの改善が見込めます。

3:地方型サテライトオフィス

ベッドタウンや都市ではなく地方に設置されたサテライトオフィスを指します。
地方創生などのために自治体に誘致されて設置されることもあります。
災害時のリスク分散や潜在的な人材の採用が可能になります。

 

サテライトオフィスは今、「働き方改革」推進の一環として総務省が推進しています。
ではサテライトオフィスの導入は企業と従業員に一体どんなメリットを与えてくれるのでしょうか。
ここからはサテライトオフィス導入で得られるメリットについて解説していきます。

 

サテライトオフィスで叶える7つのメリットとは

サテライトオフィスで叶えられるメリットは以下の7つです。

1:時間を有効活用できる
2:BCP対策に効果的
3:コストを削減できる
4:幅広い人材を採用できる
5:セキュリティリスクを低減できる
6:労働管理も簡単にできる
7:新しい生活様式に対応した働き方ができる

この7つに関してひとつずつ解説していきましょう。

1:時間を有効活用できる

サテライトオフィスを設けることで、従業員の時間を効率的かつ有効に活用できるようになります。

従業員の居住する地域の近くにサテライトオフィスを設置することで、通勤時間を短縮することが可能です。
通勤時間を短縮することで、従業員のライフワークバランスを劇的に改善することが出来ます。
また、介護や育児などで時短勤務を余儀なくされている、あるいは退職せざるを得ない従業員でもこのサテライトオフィスによって勤務が可能になる場合もあります。

サテライトオフィスは従業員のライフワークバランスを改善し、離職も防ぐことも出来るのです。

2:BCP対策に効果的

BCPという言葉をご存知ですか?
BCPとは事業継続計画を指します。

日本は自然災害などで事業を継続できなくなる可能性が非常に高いです。
地震や台風、そして新型コロナウイルスのような病気のパンデミックなどが起きた際、1箇所にのみオフィスを置くことは非常にリスクがあります。

もしオフィスを設置している街に災害が発生した場合、事業を継続できなくなってしまいます。
しかしサテライトオフィスを設置するなどしてオフィスを分散しておけば、どこかで災害が発生した場合でも違うオフィスで事業を継続することができます。

3:コストを削減できる

先ほどご紹介した通り、サテライトオフィスを設置することで従業員の自宅からオフィスへの距離が短縮されます。
そうすることで、従業員に支払う通勤費を削減することができます。
これは一人当たりで換算すると少額でも社員全体で考えると大きなコスト削減につながります。

また、都心など地価が高い場所に大規模なオフィスを構えるよりも、サテライトオフィスはずっと安価に利用することができるのもメリットです。

4:幅広い人材を採用できる

サテライトオフィスを設置することで、従来は採用できなかった潜在的な人材を採用することが可能になります。
たとえば、育児や介護、病気や障害などで都心への通勤が難しい方や、地方に在住している方など。
そういった止むを得ない理由で採用候補に入れないでいる人材も、サテライトオフィスを設置すれば採用することが可能になります。

日本の人口は2008年をピークに減少し続けており、労働人口も減少しています。
そういった中では採用の間口を広げるというのは企業にとっても大きなメリットと言えるでしょう。

5:新しい生活様式に対応した働き方ができる

新型コロナウイルスの蔓延は一旦は鎮静化していますが、ウイルスが0になることはないと言われています。

私たちは必然的に、政府が提言する「新しい生活様式」に則した生活、経済活動を行うことになるでしょう。
具体的には換気やこまめな清掃・消毒などのウイルス対策、そしてソーシャルディスタンスの確保です。

しかし従来の大規模オフィスでこういった対策を実施するのは容易ではありません。
換気をしようにも窓が開かないオフィスは山のようにありますし、オフィスが一つしかなければオフィス内での人口密度も高くなります。
全員がオフィスに出社したらソーシャルディスタンスを保てない、というオフィスがほとんどでしょう。

ですが、小規模のサテライトオフィスであればマンションの一室のように窓があることも多く、簡単に換気することができます。
複数のサテライトオフィスを借りれば、一つのオフィスに集まる人数を減らし、ソーシャルディスタンスを保ったまま勤務することもできるのです。

新しい生活様式への対応が必要になってくる中、サテライトオフィスは非常に有効な手段といえます。

 

ここまでサテライトオフィスで得られるメリットを5つ解説してきましたが、「在宅勤務でも良いのでは?」と思われた方も少なくないのではないでしょうか?
そう。
ここまでご紹介した5つのメリットは在宅勤務でも得ることが可能です。
であれば在宅勤務の方がコストも低く、サテライトオフィスを設ける必要がないのではと思われるかもしれません。

しかし在宅勤務には企業にとって大きなリスクがあり、サテライトオフィスはそのリスクに対してしっかり対策をとることができるのです。
では、残りの2つについて解説しましょう。

6:セキュリティリスクを低減できる

テレワークにおける最大の課題、それはセキュリティリスクです。
在宅勤務や、従業員が個人個人で働く場所を選ぶ場合、セキュリティ対策をきちんとできている場所が選ばれるかはわかりません。

人が多くいる場所で社内のミーティングに参加してしまう、機密資料をゴミ箱に簡単に捨ててしまうなど、挙げればキリがないほどのリスクが存在します。

しかしサテライトオフィスであれば、こういった心配は無用です。
利用しているのは社内の人間だけなので不用意な会話や廃棄物によって情報が漏洩することがありません。

7:労働管理も簡単にできる

テレワークがはじまってから多くの経営者が労働管理に頭を悩ませたのではないでしょうか。
テレワークでは労働時間は従業員の自己申告性となりますし、働きぶりが目で見てわかるオフィスワークと違い、従業員が勤務時間中に何をしているかを把握することが出来ません。
結果として不要な長時間労働になったり、生産効率が落ちてしまったり、ひどい場合はサボりだす社員が出てきてしまいます。

しかしサテライトオフィスであれば、出退勤もきちんと管理ができますし、オフィス同様に他の社員がいる中で働くことになります。
テレワークの利便性を保ちつつ、従来のオフィスワークと同じように労働管理ができるという点は、サテライトオフィスならではのメリットと言えるでしょう。

サテライトオフィスで働き方に変革を!

新型コロナウイルスのパンデミックはまだ油断できない状況が続いています。
私たちは従来の働き方から「新しい生活様式」に則した働き方にシフトしていく必要があるのです。
そのための一つの手段として、今回はサテライトオフィスをご紹介しました。

従業員の命を守り、健全な企業活動を続けていくためにも、働き方の変革は企業の急務です。
この記事を読んでくださったみなさまには、ぜひご一考いただきたいと思います。