2020年7月。
再び「COVID-19(新型コロナウイルス感染症)」の感染者数が広がりを見せています。
しかし、緊急事態宣言が解除されたと同時にテレワークを廃止しそのまま…という企業も少なくないようです。
こうした状況を受けて、政府は同月27日に「社員のテレワーク率70%を要請する見通し」であることを明らかにしました。
一旦は普及し始めたかに見えたテレワーク。
いったいなぜ企業はテレワークを断念してしまったのでしょうか。
テレワークを容認できない管理職
あちこちで調査を進めていくと、「上司がテレワークに積極的でない」という声をしばしば耳にします。
実際にSNSを調べたところ、以下のような声が見受けられました。
今日はもう一度直属の上司にテレワークのこと聞いてみたけど、
ひとつ分かった事がある。
日本でテレワークが進まない理由。
会社が自体の体質でもあるけど、多分、中間管理職以上が、何か変えると仕事増えるから、ひたすらめんどくさいんだな、と思った。
— しのぶ(らき) (@lucky_farm) July 24, 2020
なぜ「原則出社」に戻ってしまったのか、テレワークを阻む5つの壁(ダイヤモンド・オンライン)#Yahooニュース
三番目にもっと深掘りが必要かな。目の前に部下が居ないと無能な管理職の“仕事をしてる”アピールがテレワークだと出来ないのだ。存在価値が揺らぐから哀れだ。 https://t.co/5iNXAU5Or1
— 物欲父さん (@butuyokutousan) July 22, 2020
普通にテレワークで回っているものをわざわざ出社に切り替えようとする会社。しかもスペースも取れていないのに。
全体を考えても、集める必要の無い人をわざわざ集めて密集させる意味が何処にあるのか意味不明。俺にはどうも管理職と呼ばれる方々の思考が停止しているとしか考えられん。
— H2O (@hdk_obn) July 21, 2020
これは一部に過ぎないのですが、たしかに本当のようです…。
テレワークにすると「部下がサボるのではないか」「マネジメントができないのではないか」と懸念しているのでは?と推察されているようですね。
本記事ではこの課題にフォーカスを当てて紐解いていきます。
テレワークで部下はサボるのか?
まず部下からすれば、「適正な業務量を割り当てられればそうそう簡単にはサボれない」はずです。
サボるにはサボるだけの余裕が必要です。
その余裕がなければそもそもサボれません。
また、すでにテレワークが一度浸透した日本においては、「サボっているかどうかを監視によって判断する方法は今はもう古い」という風潮が生まれつつあります。
こういう状況下で無理に出社を強いることは、部下のロイヤルティ低下にもつながりかねません。
おそらくそう遠くないうちに、部下はより柔軟な企業へと移ってしまうでしょう。
かといってキャパシティを過剰にオーバーする業務が割り当てられると、部下の労働時間超過を招きます。
なかなか難しい配分ではあります。
解決方法1:タスクの管理と報告の徹底
解決方法のひとつは、日次、週次、月次のタスクを可視化し、部下から上司へ報告する仕組みを作ることです。
これは率直に言うとコロナウイルス対策として実施すべきなのではなく、政府が推進する働き方改革に対応する新しい仕事のスタイルでもあります。
これにはICTツールの活用が不可欠です。
毎朝ビデオチャットで顔を合わせてあいさつをし、その日のタスクを報告してチーム内で共有し合い、ある程度の時間ごとに進捗状況をテキストチャットで報告します。
もし進捗が芳しくなければ上司から声がけをするなどの配慮が必要です。
逆に部下からも、業務の完遂が難しいときには早期のアラート出しが求められます。
これを上司がひとりですべて割り当てるのはとても大変ですから、部下に「自分の仕事量を自分でコントロールするスキル」を習得させるつもりで取り組みましょう。
詰まるところ、最終的に重要になってくるのは「関係性」です。
お互いの信頼なくしては成り立ちません。
解決方法2:役割に人を割り当てる
今後の人材採用は、「こういう役割のポジションにあなたを割り当てるので、その役割におけるミッションを達成してください」という「ジョブ型」が主流になるといわれています。
簡単にいうと、自社のエンジニアが退職したとして、中途社員のポジションが空席になるとします。
すると、ポジションに対して人がアサインされることになりますよね。
これまでの人材採用は、「まず人材を確保してから席を割り当て、その席にふさわしい人材へと育成する」という「メンバーシップ型」でした。
しかし長引く不況の中、企業が人材育成をする体力がなくなっています。
そのため、即戦力としてジョブ型の人材採用が求められてきているわけです。
これをテレワークに適用すると、部下は自分のミッションを達成するために、タスク量ではなく質で仕事をするようになります。
「今日はこれだけやれば終わり」ではなく「ミッションを達成できていることが認められる」がゴールになるので、業務に対して主体的に向き合う姿勢が求められます。
欧米では主流なジョブ型の人材採用はまだ始まったばかりのため評価制度が未整備ではあるのですが、日本でも大手企業が続々と導入を進めているのでぜひ視野に入れてみてください。
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解決方法3:オフィスに近い環境から徐々に慣らしていく
3つ目の解決方法は、いきなり在宅勤務を全社に適用するのではなく、まずはサテライトオフィスを導入して、試験的にリモートワークを実施しつつ体制を整えるというものです。
サテライトオフィスは「支社」と考えてもらえればわかりやすいでしょう。
どのようにサテライトオフィスを用意するかは後述します。
順番としては、以下となります。
- 部署を限定してチーム数人をサテライトオフィスに移動する
- サテライトオフィスでは三密を避けて勤務できるようにし、ICTツールを活用しつつテレワークの基盤を整える(業務体制・勤怠管理)
- 2までできれば場所を問わずに働けるようになる
数人が一緒に勤務できるサテライトオフィスであれば、管理職の懸念する「サボり」が起きにくくなります。
また、主要なチームメンバーが顔を合わせられるのでコミュニケーション上の難しさも在宅勤務よりは少なく済みます。
さらに、サテライトオフィスへ「通勤」することで勤怠管理も在宅勤務よりは簡単になります(ただし昨今の現状を考慮して時差出勤などを心がけましょう)。
どうやってサテライトオフィスを導入するか?
こうして並べてみると、サテライトオフィスを導入して段階的にテレワークを進めていくことが現実的なのではないでしょうか。
ただ「こんな状況でテナントを新たに借り上げる余裕はない」と思われるかもしれません。
そこで活用できるのが、個人単位でレンタルできる、貸し会議室形式のレンタルスペースです。
レンタルスペースとは?
レンタルスペースとは、企業研修などで借りる大きな貸し会議室ではなく、個人が低コストで借りられる貸し会議室を指します(貸し会議室以外にもさまざまなタイプが存在します)。
安価なレンタルスペースは1時間100円からレンタルできるほか、立地的にも都内の主要駅から徒歩5分圏内と至近距離に構えていることもあり、場合によっては本社よりアクセスしやすいかもしれません。
レンタル料金は前払いなので、自社に事前申請をしたうえで経費として精算すれば社員に負担がかからず、社員が自社にテレワーク環境を構築する必要がないというのも大きな利点です。
実際にサイトをご覧になっていただいたほうが早いかと思われますので、今回は都心で人気のレンタルスペースを運営する「シーズスペース」を紹介します。
レンタルスペースの特徴
シーズスペースのレンタルスペースには以下の機能が標準的に備えられています。
- 机・椅子
- インターネット(無線・有線)
- 大型モニタ
- 電源ケーブル
- 電子レンジ(場所によっては電気ケトル)
- ホワイトボード
- 電子ロック
これだけの設備を自宅で揃えようとすると、個人負担では大き過ぎますし、会社負担でもかなりのコストになります。
これを1時間100円からレンタルできるというのはとてもメリットが大きいといえるでしょう。
またテレワークにおけるセキュリティ面の懸念(第三者にパソコンの画面や電話の声を知られる)がなくなるので、企業としてもリスクを軽減することができます。
またすべてのレンタルスペースが都心部(渋谷・新宿・池袋・横浜)からほぼ徒歩5分圏内に位置し、交通の便にも優れています。
シーズスペースでは実際にテレワーク利用が増えているそうで、厚生労働省もサテライトオフィスを推奨しているのでぜひ検討なさってみてください。
コロナ対策以外の面でもテレワーク移行は必須!万全の対策を
現時点ではコロナウイルス対策がメインかと思われますが、政府の提唱する働き方改革の面でも今後テレワークへの移行は避けられません。
そうなってくると、早期に対策を練って社内体制を構築することが極めて重要です。
前述のとおり、サボりやマネジメントに関しては社内体制の革新によって切り抜けられます。
が、順を追って少しずつ取り組まないと、テレワークの導入は失敗に終わるでしょう。
自社のテレワーク化推進の一歩として、レンタルスペースによるサテライトオフィスの導入もぜひ視野に入れてください。