テレワークが導入されるようになり、早い企業ではもう3ヶ月ほど経つのではないでしょうか。
現在の状況を考えるとテレワークはこれからもしばらく続くでしょうし、これまで国が推し進めてきた働き方改革の一環になりうるということもあって、社会情勢が落ち着いてからもテレワークは「時間や場所に縛られない」というより柔軟な本来の形で続いていくと考えられます。
そんな変化の最中、実は大手企業を中心に「テレワーク手当」という福利厚生が導入されはじめていることをご存知でしょうか。
今回は、実際の事例をもとにこのテレワーク手当について解説します。もしあなたの会社でテレワーク手当が導入されていないのであれば、上層部やコーポレート部門に打診するチャンスです!
テレワーク手当導入の背景
テレワークによって在宅勤務となった方々のほとんどは、自宅の環境整備を「自己負担で」行うことを余儀なくされました。
インターネット回線の導入
インターネット回線の有無はテレワークを導入する企業にとってもおそらく最初の壁だったはずですが、会社でリースしたモバイルルーターを社員全員に貸し出しているなどという対策はほとんど耳にしません。
おそらく従業員も「一過性のもの」という感覚と、なにより「出社せずに自宅で仕事ができる」という喜びが勝って、「スマートフォンのテザリングを利用すればなんとかなるだろう」くらいの意識でいたためでしょう。意を唱えることで(当時は)テレワークが見送りになる可能性もあったわけですから。
ですが、在宅勤務が長引くにつれて不便を感じるようになった従業員が、個人的にインターネット回線を引くというケースが増えていることをご存知でしょうか。
今(4月24日現在)どのプロバイダ(回線事業者)に申し込もうとしても、「申し込みが殺到しているため工事までに数週間から数ヶ月かかる可能性があります」とアナウンスされます。みなさん、同じようなことを考えるようになっているからですね。
インターネット回線を導入すると、初期費用と月額費用の両方が発生します。どちらもキャンペーンやキャッシュバックによって割引、相殺されることはあるものの、月々3,000円〜5,000円くらいの出費は覚悟しなければなりません。
机と椅子の確保
最初はリビングのテーブルを使って仕事をしていた方が最初に直面するトラブルが「体の痛み」です。
参考記事:【テレワークの問題点】従業員の体調に異変…あなたは気づいていますか?
早い人はテレワーク初日から、首・肩・背中・腰・お尻あたりに強烈な凝りと痛みを感じます。入浴してストレッチをしてもなかなか取れず、多くの人が悲鳴を上げています。
これは、リビングや座椅子での作業が猫背を招きやすいためです。
https://twitter.com/tenkan_komatta/status/1247417284672380928
本来リラックスするために作られた家具ですから、仕事に適さないというのはある意味至極当然のことといえます。
そのため、Amazonや楽天、Yahoo!などの大手ECモールで仕事用の机や椅子を購入する人が急増しており、安価なオフィス家具はどのサイトでも入荷待ちになっています。ニトリやIKEAなど大手家具専門店のオンライショップでもオフィス家具は品切れになっていますね。
相場感ではセットで20,000円〜50,000円といったところでしょうか。合計50,000円の机と椅子を1年間使い倒すのであれば月々4,000円弱の出費と換算できますね。
なお、高価なデスクやチェアは比較的まだ残っていることが多いのですが、ひょっとしたら「もう少し我慢すればテレワークも終わって会社に出られるようになるだろう」という気持ちの表れがどこかに少し含まれているのかもしれません。筆者の個人的見解ですが、少し価が張っても長く快適に使えるものを選ぶか、後述する「別の方法」を選ぶかだと考えています。
プリンターの導入
これは優先度がそれほど高くないかもしれませんが、コンビニエンスストアが近くにないという方や、外出はなにがあっても最小限に抑えたいという方は購入されているようです。
プリンターは昔と比べて10,000円程度から購入できるようになりました。しかし盲点なのは、プリンター本体より「インクのランニングコスト」です。
会社でプリントアウトをする際に「カラーは1枚50円のコストがかかるからできる限り白黒で印刷してください」とコーポレート部門から通達を受けなかったでしょうか。このコスト感をひしひしと感じるようになります。
また、消費する紙のコストも考える必要があります。それを考慮すると、本体の価格を含めて月々2,000円〜3,000円の出費です。
結局どのくらいの自己負担になっている?
初期費用ではなく12ヶ月の月払いとしてざっくりと単純計算すると以下のとおりです。
- インターネット利用料金:約3,000円〜5,000円
- オフィス家具の購入費用:約1,600円〜4,100円
- プリント代:約2,000円〜3,000円
月々約6,600円〜12,100円程度の出費を自己負担することになります。
これに社外への通話料や、仕事で使用する分のスマートフォンの容量(オンライン通話など)が乗ります。
またオフィス家具を一括で支払えなかった場合は分割手数料も上乗せです。
さらに細かく言ってしまうと、家で仕事をしている間の水道光熱費も自己負担です。
ここ数ヶ月の電気代が跳ね上がって、驚いている人も多いのではないでしょうか。
これらすべてを考慮すると、直接的ではないにせよ合計で約10,000円〜20,000円の自己負担を強いられているわけです。
これに加えて、在宅勤務によるストレスの増加も挙げられており、運動量が減って食事量が増えた、なんていう人も少なくないでしょう。
関連記事:【テレワークの問題点】従業員の体調に異変…あなたは気づいていますか?
急ピッチで導入せざるを得なかった施策なので仕方ない部分もあるでしょうが、ようやく世間がこの負担増に気づきはじめ、コーポレート部門に訴えるようになりました。
そういう経緯から「テレワーク手当」が導入されるようになったわけです。そしてこれから中小企業でも続々と増えていくことになるでしょう。
テレワーク手当の実例
大きく報道されたのが、「メルカリ」でおなじみの株式会社メルカリが導入した「在宅勤務手当」です。同社は2020年4月8日に従業員の完全在宅勤務移行を発表し、半年につき60,000円を従業員に支給することを決めています。
また、IT関係にお勤めの方はご存知であろうシックス・アパート株式会社はなんと2016年からテレワークへ移行しており、月15,000円のテレワーク手当を従業員に支給しています。
以下、大手企業が導入している手当金について紹介します(2020年4月24日現在)。
企業 | 手当の名称 | 金額 |
メルカリ | 在宅勤務手当 | 60,000円(半年ごと) |
ランサーズ | テレワーク手当 | 30,000円(一時金) |
ピクスタ | 在宅勤務手当 | 10,000円(一時金) |
シックス・アパート | テレワーク手当 | 15,000円(毎月) |
SmartHR | リモートワーク環境を整える手当 | 25,000円(一時金) |
今後が見えない中の支給ということもあって、多くが「一時金」としているようです。
ですが、すでに解説しているとおり月換算でも自己負担額は5,000円をゆうに超える計算だったはずですから、これから先の見通しによってはテレワーク手当の条件や金額も変わってくるでしょう。
個人負担を抑えて快適なテレワークを実現するたった1つの方法
実は、個人負担をできる限り抑えながら快適なテレワークを実現する方法が「1つだけ」存在します。
それは、「レンタルスペースの活用」です。
※2020年4月23日現在、特に都心部においてレンタルスペースの多くが休業しています。営業再開次第、本サイトでもお伝えします。
テレワーク=在宅勤務ではない
多くの方が勘違いされていますが、テレワークとは本来「時間や場所を問わず柔軟に働くことのできる就業形態」を指します。
今は自宅で過ごすことを国から要請されている状況ですが、事態が終息したあともテレワークが継続して実施されるようであれば、レンタルスペースを就業の拠点にすることは、コスト面や効率面、健康面においても大きなメリットがあります。
詳しくは当サイトで紹介している別の記事をご参照ください。
テレワークは仕事がはかどる!
おそらく多くの方々が「在宅勤務は疲れる」「早く会社に出社したい」と思われていることでしょう。
そんなとき、オフィスでも自宅でもない自分だけのワークスペースを持つことは、仕事に必要な環境をわざわざ一つずつ買い揃えなくてもすべて揃っているという機能面のメリットだけでなく、仕事とプライベートのオンオフができるようになるという精神衛生上の効果も期待できます。
緊急事態宣言が発令される以前は実際にテレワークやリモートワークでしばしば利用されていたという実績もあり、レンタルスペースは今後のテレワークにおいて利用が大いに期待されるサービスです。
参考記事:テレワークで集中できる環境を作る!仕事が捗るあなただけの空間
都心部で人気のレンタルスペース「シーズスペース」
こちらも今は休業していますが、都心部で貸し会議室タイプのレンタルスペースを運営する「シーズスペース」を紹介します。今後のためにぜひお気に入り登録をしておくことをおすすめします。
ご予約はお早めに!
シーズスペースは都心部のレンタルスペースの中でも人気の部屋を複数運営しており、そのいくつかはリピート率8割という驚異の満足度を誇ります。
人気の秘訣はこちら。
- 1時間100円から借りられる破格のレンタルスペース
- すべてのレンタルスペースが都心部の主要駅から徒歩5分以内
- おしゃれで清潔感があり女性にも人気
- 充実のサポート体制(困ったときのスタッフさんの対応が早い)
- ほかでは難しい大画面のモニターを無料レンタル可能(多くはプロジェクターか、あっても有料です)
- コンビニエンスストア至近
このコストパフォーマンスの高さから早期のうちにテレワークで利用があったとのことで、本サイトでおすすめのレンタルスペースとして紹介しています。
営業が再開した際には各スペースの特長を取り上げていく予定ですので、乞うご期待ください!
ご予約はお早めに!
まずは担当部署へ相談を!
これまで会社が負担していた経費の負担がこれだけ個人にかかると、モチベーションの低下にもつながりかねません。特に入社して間もない新社会人の方々などにとっては生活も落ち着かない中で相当の負担なのではないでしょうか。
同僚の方々とも相談していただき、実際にかかっている個人負担の見積もりと、すでに他社がテレワーク手当を導入しているというエビデンスを持って、コーポレート部門へ相談しましょう。
勤務形態を変化させるということは、それに伴って必要な経費も変わらなくてはなりませんし、それらに負担があったとして、会社ではなく個人に任せるという状況は声を上げるべきです。
環境構築・維持のコスト面も含め、ご自身にとって仕事のしやすい環境を作れるよう、工夫してみてください!