Web会議でシェアのほとんどを占めていたZoomがセキュリティ面での危険性に指摘を受けて、「Google Meet(旧「ハングアウト」)」が注目されるようになってきました。実際、3月末時点での利用者数は、1月の25倍にもなっています。
ZoomはGoogle社内でも使われていたということもあり、Zoomの欠点を補うように作られているのでは?と期待してしまいますよね。
そこで今回は、「Google Meetは使いやすい?」「Zoomの代わりとして使える?」という点を中心に解説します。
※本記事は2020年4月22日現在の仕様に基づいています。
Google Meetの使い方
今回は、Web会議を主催する側の操作を中心に説明します。
会議を主催する方法は3種類あります。
- Google カレンダーから参加者へGoogle Meetの招待状を送信する方法
- ブラウザから「臨時会議」を開催する方法
- Gmailから参加者へGoogle Meetの招待状を送信する方法
Google カレンダーから参加者へGoogle Meetの招待状を送信する方法
自分がGoogleアカウントを持っていれば、Google カレンダーからGoogle Meetの招待状を参加者へ一斉送信することができます。このとき、相手がGoogleアカウントを持っている必要はありません(便利!)。
Googleカレンダーで予定を入力する際、「その他のオプション」を選択します。
画面が「予定の詳細」に切り替わりますので、ビデオマークの部分をクリックして「ハングアウト」を選択します(今後「Google Meet」へと名称が変わるかもしれません)。
画面右側の「ゲストを追加」欄に、招待したい人のメールアドレスを入力します。あらかじめ参加者のメールアドレスを確認しておく必要はありますが、参加者以外に招待状が届くことがないので、セキュリティ面で安全です。
最終確認画面です。ここで「送信」をクリックすると、招待メールが参加者に届きます。
参加者はどのデバイスでもWeb会議にアクセスすることができます。
ブラウザから「臨時会議」を開催する方法(G Suiteへの申し込みが必要)
社内のメンバーに急いで確認したいことがあるときなど、予定表にない臨時のWeb会議を設定する方法です。
臨時会議を開催するには「G Suite」への登録が必要です(14日間のトライアル試用期間があります)。
ブラウザからhttps://meet.google.com/にアクセスします。
本来であればこの画面に「ミーティングに参加または開始」というボタンが表示されています。
ボタンを押すと会議のニックネームを付けることになるので参加者にわかりやすいニックネームを入力し、「今すぐ参加」をクリックします。
参加者を招待するには、会議情報を伝えるか、Gmail・電話経由で行うことができます。
前者の場合は「参加に必要な情報をコピー」ボタンをクリックして、コピーした会議情報をメールやメッセンジャーなどに貼り付けて相手に送ります。
後者の場合は、「ユーザーを追加」ボタンをクリックして次のいずれかを行います。
・「招待」欄で名前を選択するかメールアドレスを入力し、「招待状を送信」ボタンをクリックします。
・「通話」欄に電話番号を入力し、「通話」ボタンをクリックします。電話経由の場合、参加者は音声のみでの参加となるのでご注意ください。
同じG Suiteの組織内ユーザーであれば参加許可は不要ですが、外部の参加者は主催者の承諾を得ないと参加できないこともあるそうです。
Gmailから参加者へGoogle Meetの招待状を送信する方法(G Suiteへの申し込みが必要)
こちらは2020年4月16日にリリースされた新機能で、G Suite利用者のみ使うことが可能です。
詳細は公式サイトをご参照ください。
Google MeetとZoomとの機能比較
Zoomに実装されていた機能は、Google Meetでどのくらい使えるのでしょうか。
参加時のパスワード機能
現時点でGoogle Meetにはパスワード機能がありません。
メールの送信先や会議情報の誤送信にはくれぐれも注意しましょう。
チャットメッセージの送信
Zoomと同じように、ビデオ通話と並行してメッセージを送信することが可能です。
これもZoomと同様ですが、個別メッセージではなく参加者全員へ送信されます。
バーチャル背景の設定
現時点では標準機能になっていません。
サードパーティーの「Snap Camera」を利用することで設定が可能です。英語ではありますが、チュートリアルがありました。
機能の豊富さではZoomのほうが今のところ勝っているのですが、Zoomはセキュリティ強化のため2020年6月ごろまでは新機能の実装を停止する旨をアナウンスしているため、今後Google MeetがZoomに追いつき、追い越す可能性は十分に考えられます。
Google Meetの仕様一覧
Google Meetの仕様をまとめました。なお、G suiteユーザーは2020年9月30日までプレミアム機能が無料解放されています。
Google Meet | |
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会議の参加者数 | G Suite Basic/G Suite for Education:100人まで G Suite Business:150人まで G Suite Enterprise/G Suite Enterprise for Education:250人まで |
対応プラットフォーム | Android・iOS 各種ブラウザ:Chrome、Mozilla® Firefox®、Apple® Safari®、Microsoft® Internet Explorer® 11 ※プラグインが必要)、Microsoft Edge® Hangouts Meet ハードウェア、Chromebox for meetings、Chromebase for meetings |
Web会議への参加方法 | ブラウザ、モバイルアプリ経由 Google カレンダー 会議へのリンク(URL)やコード 電話 Hangouts Meet ハードウェア、Chromebox for meetings、Chromebase for meetings |
ビデオ会議での チャットメッセージ送信 |
ブラウザ、モバイルアプリ経由 |
ドキュメントや 画面全体の表示 |
会議中に画面全体または特定のウィンドウを固定表示 |
外部の参加者 | 単一の共有リンクで任意の参加者にビデオ会議へのアクセス権を付与 |
会議の録画 | G Suite Enterprise/G Suite Enterprise for Educationのみ |
Google MeetはZoomの代わりにビジネスで使える?
Google MeetはG Suiteを利用している企業であれば十分ビジネス利用に耐えうる仕様となっています。
特にGmailやGoogle カレンダーとの連携はG Suiteユーザーにとっては利便性に優れ、いくつものソフトウェアやアプリをインストールしなくてもGoogleだけで完結するというメリットは大きいといえるでしょう。
また、セキュリティ面では今のところ脆弱性は見つかっておらず、ビジネスでも安心して利用することができます。
注意としては、Google MeetだけなくZoomや他のオンラインミーティングサービスでも同様なのですが、「会議情報を第三者に漏らさない」ことがなにより重要です。
もし悪意を持った第三者に会議情報が伝わってしまうと、いわゆる「Zoombombing(ズーム爆弾・ズーム爆撃)」と呼ばれる、見知らぬユーザーが乱入して会議を荒らすようなトラブルも起こり得ます。
G Suiteユーザーでないと利用できない機能が多かったり、標準機能でもまだまだこれからというところは多くありますが、Zoomの信頼性が有識者によって確認されるまでは、Google Meetの利用をおすすめします。